そして俺たちのジョニーはやって来た!
2011年3月11日午後14時46分。宮城県牡鹿半島沖を震源とするM9.0の大地震により東日本一帯は津波による大被害を受け、とりわけ福島県の第一原子力発電所は津波の影響により炉心溶融など放射性物質の放出をともなった原発事故を起こしてしまいました…。
当然の様に こと放射能に対しては極端に敏感な多数の海外ミュージシャン達が日本公演をキャンセルする中で、震災が起きた10分後に成田に着陸したシンディー・ローパー。
震災後直ぐに来日したニーヨ。
震災翌月にコンサートを決行したカイリー・ミノーグ。
その他にもジャスティン・ビーバー、ケイティ・ペリー、レディ・ガガetc...と多くのミュージシャンが余震がなおも続く日本各地で予定通りにステージに上がりました。
そして…
この人!我れらがジョニー・ウィンターの兄貴も4月に待ちに待った初来日!
ついに"Zepp Tokyo"であの『100万ドルのギタリスト』のパフォーマンスを目の当たりに出来るーっ!!!(((o(*°▽︎°*)o)))
と思ったのですが、どうも巷では
『ジョニーはどうせ余震にビビって来やしねえよ』
とか
『いやいや奴は放射能に負ける様なタマじゃねえ』とかw
勝手な噂が乱れ飛び、おまけにライブを協賛してる"インターFM"で当時、平日の夕方からOAされていた"The Dave Fromm Show"でもコンサート直前まで『ところでジョニー来てるの?全然情報が無いんですけど…』ってそんなバカな…(´Д` )
心配になって招聘元の"M&I"に電話をかけて確認した友達に至っては『キャンセルと言う話は聞いておりませんがぁ…。』と曖昧な返事に一層不安を募らせる始末ww
そして ジョニー来日のニュースが未だ届かない4月13日の当日。
モチロン初日のチケットをゲットしていた私は半信半疑のまま友達と待ち合わせしてお台場の"Zepp Tokyo"へ。。。
おぉーっ!並んでんじゃん!看板も出てるしぃ~!!『やっぱ来てくれたんだぁジョニー!!!』って当たり前なんですけどねw(^^;;
それにしても並んでるファン層を見るとやっぱり年齢層高ぇ~w ガラも悪いし(自分も含めて)www
あちらこちらから聞こえる
「ジジイ本当に来てんのかよ~」
とか
「早く入れろよジジイ!」
とかの罵声(?)を聞きながらスタッフの誘導に従って"おごそかに"入場となりました。
場内はって言うとこれまたやはり異様な雰囲気で、
「ジョニ~~~っ!」
って言う奇声を上げる輩や先ほど同様
「ジジイ早く出て来いやっ!」
などと言うジョニーファン特有の荒っぽい愛情表現(?)が飛び交う中ついに照明が暗転してバックバンドの面々が登場!
暫く3コードからなるインストブルーズの演奏が続き、おぉ~っ!スゲえ!これじゃあ今余震が来ても気づかねえな(当時の東日本は毎日何度もの有感地震に襲われてました…。)!ってぐらい腹に響く心地良い爆音!
そしていよいよ生ジョニー登場!となった訳ですが…
あれ(・_・?)
そこには女性スタッフに手を引かれながらヨチヨチとステージに登場した小柄な老人の姿が…。
噂には聞いてたけど『ジョニー年取ったな…』
誰もがそう思ったはず。。
そして、ステージの真ん中に置かれていた椅子にヨッコラショと腰掛けると あの嗄れ声で一言挨拶をして『One,Two,One Two Three!』の掛け声に続いて"あの"ブルーズ界の大定番!あまりにも有名な"Freddie King"の"Hideway"でショーが始まりました♪
会場はと言うともう興奮のルツボ!『ジョニィーーーっ!』と叫ぶ人『いいぞジジイ!』と例の独特な調子で"愛情表現"をする人、あまりに声援が凄いので会場中が『ウォーっ!』と唸ってます。。もう皆んな泣いてます…。゚(゚´ω`゚)゚。
そりゃあそうなんですよ。。あの幻の来日公演が突如として中止になってから約20年…。私はと言えば何度かアメリカ本土で観ようとチャレンジするもタイミングが合わずその度に断念…。皆んなそんな風にして待った20年間。『もうジョニーは来ないんだろうな…』と思いながらも儚い希望を捨てずに待ってたんですから(泣)
確かに老いたせいか昔の様に指も思った様に動かなそうだし タイミングも若干遅れ気味になったりはするけど そんな事はもうどうでもいい…(逆に言えばあんな状態でステージに出て来たジジイがここまで弾けんのかよ!とも言えるのですがw)。
間違いなく目の前に生ジョニーがいてくれて、間違いなく目の前で"息をする様に"30年来の相棒"Erlewine Lazers"のヘッドレスを弾きまくり、ヴォーカルをシャウトさせてる訳ですから…。
さて"Hideway"から始まったステージの方はと言うと、
私のお気に入り1992年リリースのアルバム『Hey,Where's Your Brother?』から"She Like To Boogie Real Low"、マディ・ウォーターズの"Got My Mojo Workin'"
ロックンロールの定番チャック・ベリーの"Johnny B Good"、あの"Sunshine Of Your Love"のリフを織り込んで演奏してくれた"Don't Take Advantage Of Me"、
大ヒットしたアルバム『Captured Live!』(狂乱のライヴ)から"Bony Moronie"、
などなど。
そしてラスト"Gibson Firebird"に持ち替えてのアンコールはロバート・ジョンソンの"Dust My Bloom"からあのボブ・ディラン作の名曲"Highway 61 Rivisited"まで一気に突っ走ってくれました!
※因みにこのCDには収録されていませんが私の観た初日にはジミ・ヘンドリクスの"Red House"も披露してくれたはずです♪ 確か(^^;;
と言う事でもう何十年も"観たいのに未だ観てないミュージシャンリストNo.1!"にリストアップされていたジョニー・ウィンターはめでたくリストから外される事になった訳ですが、やっぱりなんか本音を言えば20年ぐらい前に観たかった…。それを言っちゃあいけない、贅沢言っちゃあいけないのは解ってるんですが立って弾いてるジョニーを観たかったなぁ…。ジョニーゴメン…。
Johnny Winter's awesome speed in 'Sound the Bell' 1987 Sweden in a tv studio
※立って弾いてるジョニー。1987年"Sound The Bell"カッコイイw (泣)
その後ジョニーは2012年の5月。2014年の4月と立て続けに来日を果たす訳ですが 最後の来日から僅か3ヶ月後の2014年7月16日に天に召されてしまいました………………………………………………………………………………………………(泣)
でも私の中では"観たいのに未だ観てないミュージシャンリストNo.1!"から"本当に観られて良かったミュージシャンNo.1"へとポジションを変えたに過ぎず、ロック史上No.1ギタリストの座は永遠に変わる事は有りません。。やっぱりジョニー・ウィンター!あなたがNo.1です!
May your soul rest in peace,Johnny Winter! Thank you!!!
※追伸:個人的にジョニーの生涯最高のプレイだと思われる『Second Winter』からの"Memory Pain"と、一番好きなアルバム『3rd.Degree』のリンクを貼っておきます♪(^-^)/